NEWS
選手紹介 2021.2.19

【インタビュー】#5 具 智元 『年長者の自覚』

癒し系笑顔のかわいいキャラですっかり人気者となった具智元選手。
しかしチームでは後輩たちを引っ張る頼もしい存在です。
日本を代表するスクラム職人が語るHonda HEATのスクラムとは?


Q.まずHonda HEATにきた理由はなんですか?
一番はお兄ちゃん(具智允選手)がいるからです。
ずっと一緒にやってきて、ニュージーランドに行ったり日本にきたりもしましたが、
お父さん、お母さんとは離れて過ごすこともあったんですが、
お兄ちゃんとは離れたことがなかったので。
初めて社会人でプレーする時はお兄ちゃんと一緒にやりたいと思っていました。

Q.Honda HEATに来て4年目ですが今までを振り返っていかがですか?
1年目の時は先輩方の中でやっていたので、それまでと特に変わりなかったのですが、
2年目に入って怪我から復帰した時からは、自分が試合に出るとフロントローでは最年長というような状況でした。
すごい若いフロントローなので難しいところもあったのですが、
みんなの成長を感じるからプレーしてて楽しいです。

Q.2年目の時は当時1年目の二人と一緒に組んでいたのですね。
そうですね。僕が復帰したサニックス戦からは1番が藤井(拓海)、2番が藤浪(輝人)でした。
去年もその二人に加え、ツル(鶴川達彦)キエノリ(呉季依典)
もう一人の3番もミワスケ(呉味和昌さん・2020年勇退)で同期なので
Hondaでの公式戦ではずっと僕が最年長だったという感じです。

Q.日本代表では?
一番若いですね。全員含めると年下もいるんですが、
W杯で試合に出てた中では最年少でした。

Q.Hondaと日本代表でギャップがありそうですね。
そうですね。日本代表で組んでいる時は、特に堀江さん(パナソニック所属)とかが
「こうやったほうがいいんじゃない?」みたいなアドバイスをくれるので
それを聞きながらやってる感じですが、
Hondaでは、2年目の時から自分が周りにアドバイスをしていました。
でもここ最近はフッカーからも「こうやっていきましょ!」などと言ってくれるようになりました。
すごいみんな伸びているなと感じます。

Q.その中で今シーズン一番伸びていると感じるフロントローの選手は?
みんな本当にすごい伸びていて選ぶのが難しいのですが、
一番理解しようとしている選手はキエノリです。
すごい若い選手ですが、自分の意見も言いますし、
僕のことも聞いてくれるのでやりやすいです。
気持ちがすごい熱いので、後輩ですが、頼もしいし安心します。

Q.今年は例年以上にフロントローの団結力が増しているように感じます。その秘訣は?
僕が加入した時はそんなにスクラム練習もなかったし、
他のプレーに比べ、「スクラムは後」という感じがあったのですが、
今は試合に勝っても「スクラムを押さないと自分たちがやる意味がない」
という感じになっているのをすごく感じています。
自分たちの役割がはっきりしているので、みんなが同じ気持ちになっています。
スクラム次第でみんなが喜んだり落ち込んだりという感じですかね。
その部分でみんなの団結力が強くなっているのだと思います。

Q.今年は今までより練習後の個人練に割く時間も増えていませんか?
そうですね。僕が1年目、2年目の時は
集まってやることもなかったし、週1回あればいいくらいでした。
やっぱりスクラムは8人がまとまらないと、うまく伝わらないので、
みんなで話だけしていてもうまくいきませんでした。
少しずつでも練習していることでみんなが上手くなっていると思います。

Q.その中で具選手が心掛けていることは?
フロントローだけで練習すると3対3なので、
8対8に比べると前も後ろも軽く感じるんですが、
軽いからといって、ただ3対3の練習で終わらせるんではなくて
8対8でも組める姿勢か考えながらやっています。

Q.後輩たちへの声かけの部分では?
1番のことは正直よくわからないんですけど、
自分ならこうされると嫌だということを教えるようにしています。
3番については、例えば自分が怪我で外から見ているときに
吉岡(大貴)が組んでいるとすれば、
組んでいるところを見ながら、体重の掛け合いとか組んだ後の姿勢とかは
「俺はこっちの方がいいんだけど、どう?」という感じで声かけしています。

Q.チームとしてのスクラムは加入した時からどれくらい強くなっていると感じますか?
2年目の時は負けた試合は全てスクラムで負けたといっても大袈裟じゃないような状況で、
僕が入ってもプレッシャーはかけれなかったし、
ボールを出せるのがやっと。というのが続いていました。
去年からようやくリコーとかNTTコムとかスクラムが強いチーム相手でも押せる場面が出てきて
Hondaのスクラムも攻撃的になったなと感じました。

Q.武器になりつつなる中でそうなるきっかけはあったんですか?
お父さん(具東春スクラムコーチ)が入ってきて
攻撃的なスクラムを組もうと言ってくれました。
去年もそうだったんですけど、
クボタ戦もとりあえずボールを出そうと消極的になると上手くいかず、
自分たちが止まっていると必ずプレッシャーを受けました。
このままじゃいけないと、強い気持ちで行かないといけないと感じました。
その時もキエノリが「足止めちゃいけないですね」と言ってくれて
NTTコム戦は強い気持ちでいくと押すことができました。

Q.みんなの声のかけ合いがあったんですね。
そうですね。フロントローからFW全体に押したいと話した時も
ボール確保優先じゃないかと言われたんですが、
8人全体でまとまった時は良いスクラムを組んでいたので
その気持ちが伝わり、固まったのかなと思います。

Q.Hondaのスクラムを一言で表現すると?
僕も藤浪と似てるんですけど、『攻撃的』と言ってもいいかなと思います。
守りに入ると今まで上手くいかなかったので、
攻撃的に組むことを意識してきました。
そしてパッション持って攻撃的に行くと上手く行ってました。
あぁ…でも僕も『パッション』でいいかもしれないです。笑
多分藤浪と考えていることは同じです!笑

Q.今シーズンへの想いは?
トップリーグが最後になるので、
フロントローは熱い気持ちでトレーニングしているし、
とにかく攻撃的なスクラムを組んで
チームの勝利にも貢献して目標のベスト8に入っていきたいです。

取材日:2021年2月9日

(取材・文:中田裕人広報)

▼前回のインタビュー記事はコチラ

#4 藤浪 輝人 『気持ちで引っ張る』 

ニュース一覧にもどる
RELATED NEWS